テロ情報流出経緯に関する考察

『毎日jp』2010年11月4日 00時52分 (2010年11月4日 01時08分 更新)
『<テロ資料流出>故意の可能性 データ形式がウイルスとは別』(下記参照)
http://www.excite.co.jp/News/society_g/20101104/Mainichi_20101104k0000m040109000c.htmlによると、国際テロに関する警察内部資料とみられるデータの流出問題で、データの形式がファイル共有ソフト「ウィニー」のウイルスに感染した場合と異なることが関係者への取材で分かったようです。その理由は他の資料『フォルダに公安幹部名 テロ情報流出疑惑 掲載資料「極秘」扱い』(下記URL参照)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101101-00000107-san-soci 等も参考にすると次のようになります。

ウィニー(Winny)のウイルスに感染すると、パソコンのユーザー名、組織名、デスクトップ画像、デスクトップのファイルがWinnyネットワーク上にUPされてしまうという特徴を持ちます。感染したPC内のファイルなどは圧縮ファイルなどにまとめられ、名前や感染日時などがつけられます。しかし、警視庁がこれらの情報を扱う業務に使用する公用のパソコンは外部接続されておらず、不正アクセスで流出することありません。したがって、インターネット経由のWinnnyウイルス感染、情報流出はありえないということです。また、今回流出した資料は警視庁内の秘匿性が高く暗号化された文書で、警視庁内の専用パソコン以外では閲覧できず、私用の外部記録媒体を専用パソコンに接続すると、警報で関係部門に知らされるというシステム内に保管されていました。しかも、パスワードなどで二重三重に情報管理をしていたそうです。このような理由から、内部資料であれば、職員らが外部記憶媒体に移した後に私用パソコンから流出した疑いが強いということです。

つまり、今回のテロ情報流出事件は「人的漏洩」が原因である可能性が高いということになります。

それ以上に問題になるのは、当然、「(人的漏洩が疑われる)機密情報の漏洩」が発生したという事実であるようです。『警察情報流出 国際テロ捜査の根幹が揺らぐ(11月3日付・読売社説)』(2010年11月3日01時20分 読売新聞)
(右記参照)http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20101102-OYT1T01197.htmでは次のような意見が述べられています。

(以下引用)
『警察当局は内部の資料かどうか「調査中」としているが、特定することが急務だ。・・・(中略)・・・テロ組織などの捜査では、相手組織の内部に協力者を作り、情報を収集するのが公安部の手法だ。警察の中でも、取り扱う情報の秘匿性は極めて高く、厳重な情報管理態勢が敷かれているという。流出文書には、捜査協力者とされる外国人の名前や連絡先、さらに接触方法などが記されていた。捜査対象者の顔写真や旅券番号、米連邦捜査局(FBI)によるテロ対策の研修内容とみられるものまであった。これらが警察の内部資料であれば、影響は計り知れない。協力者に危害が加えられる可能性もあり、今後、捜査への協力は得られなくなる恐れがある。海外の捜査機関も、情報の漏えいを警戒し、日本に対し、国際テロ組織に関する情報を提供しなくなるだろう。・・・(中略)・・・警察は、職員らに法に触れる行為がなかったかどうか、徹底的に調べる必要がある。テロ対策には国際捜査協力が欠かせない。互いの情報提供は、厳重な情報管理態勢への信頼の上に成り立つことを、警察当局は肝に銘じてもらいたい。』 
(以上引用)

実は、個人的には『量子暗号化技術の進展と電波首輪理論「共謀罪と傍聴法・個人情報保護法の無力化」(下記)http://infowave.at.webry.info/200609/article_1.htmlにおいて、諜報機関の強化が天下の悪法治安維持法の再現といわれる共謀罪法案可決や傍聴法の乱用・軽視、さらには傍聴法さえ無視した越権盗聴につながるのではないかという危惧や個人情報保護法が無力化するのではないかという危惧をしていました。実際に、個人情報保護法に関しては内閣府のHP記載の個人情報保護の目的とちがった個人情報保護法の現状を指摘している元総務省顧問もいます。(下記『個人情報保護法改正の議論をはじめよう』参照)http://blog.goo.ne.jp/hosakanobuto/e/e51128c894c86ebef042aaaaa985cd11

(以下引用)
『個人情報保護法とは、その名の通り「国民の個人情報」を保護するのではなくて、「個人情報」を行政機関(警察・検察など捜査機関を含む)が自由自在に使える状態となってしまっていて、行政機関がどのように「個人情報」を扱っているのかについては、当事者である個人がアクセスしようにも、「個人情報だから教えられません」という倒錯が起きている。』
(以上引用)』

このような国民の個人情報保護法に関するある意味で皮肉な現状がある一方で、今回疑われている「諜報機関内での機密の人的漏洩」が発生したのは実に遺憾であるとしか言いようがありません。今後、少なくとも、諜報機関に関連する日本人がテロ対策を理由に日本人に対して嫌がらせ調査やゴロマキ運動(ほのめかし現象)の扇動、あるいは傍聴法に基づかない違法・越権盗聴をするような事がないようにしてほしいものです。そのような「小学生のような嫌がらせ」をしているヒマがあるならば、自分たちが死守すべき情報機密を「人的漏洩」されるような事件がおきたという現状を見直すべきであると思われます。

情報流出関連でいえば、自衛隊の重要情報も漏洩されています。『自衛隊流出名簿情報 お値段はまさに“プライスレス”』(右記参照)http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20090902/dms0909021609014-n2.htm

(以下引用)
『専門家は「値段が付けられないほど重要な情報。作戦行動ができなくなる可能性もある」と事態の深刻さを指摘している。防衛省によると、流出したのは「隊員出身地カード」。これには住所や氏名、年齢、家族名、現在の所属先に加え、本籍地や隊員の親の住所、子供の学校まで記載があった。制服組トップの陸上幕僚長を含め、ほぼ全隊員が網羅されていた。・・・(中略)・・・「たとえば日本に侵入した他国のゲリラコマンドが、流出した情報を利用して隊員の家族を人質に取れば、作戦行動ができなくなってしまう。100万円どころか、値段が付けられないぐらい重要な機密情報です」と断言するのは軍事ジャーナリストの世良光弘氏。・・・(中略)・・・陸自はテロ対策や潜入任務などを担う特殊作戦群を千葉県船橋市の習志野駐屯地に配備している。その詳細は部隊そのものが極秘事項のため、今も明らかになっていない。だが、今回流出した個人情報から隊員名簿や組織の編成、隊員の能力などが割り出される可能性もある。「軍事的に致命的な情報流出になり得る。すべてオープンになれば、部隊員を総取っ替えする必要も出てくるかもしれない」と世良氏は危惧する。』
(以上引用)

このように考えてみると、「テロ対策」に関連して、陸上自衛隊の機密情報も警視庁の機密情報も漏洩されているのですね。重要な情報の「人的漏洩」の危険性が大きくなってきていることは明らかであると考えられます。

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